最近フリースタイルダンジョン見てなかった人も「R指定 VS FORK」を今すぐ見てくれ

フリースタイルダンジョンが今、初代 VS 2代目モンスター対決を行なっている。W杯の影響で何週か放送されずにやきもきしていたけれど、今週ようやくR指定が登場した。

フリースタイルダンジョンを見始めてから「MCバトルおもしれえな〜」と思い、開催されている大会や過去の動画をおっかけてきた。同じような人はおそらく沢山いて、日本でラップバトルを中心としたヒップホップ文化を定着させた怪物番組である。モンスターも2代目となり、より強力な布陣になりすぎたためにルールが変更されたり、番組の柱の一人だったUZI さんが逮捕されたり、よくわからない街ブラお買い物企画が挟まったり、ラスボス般若が連続で負けたりと波乱万丈な展開を迎えていた。少し盛り下がっていた番組のカンフル剤として、初代 VS 2代目という熱いカードが組まれることになったのだと思う。

MCバトルはその場のやりとりではあるものの、その人がその瞬間まで抱えてきた「物語」がぶつかる場所でもある。ここにきてフリースタイルダンジョン史上最高の試合といえそうな「R指定 VS FORK」の試合が放送された。これが徹頭徹尾「フリースタイルダンジョン」の物語でしびれまくった。タイトルが「サイプレス上野登場」だけど、すぐ負けてR指定始まるから安心して見ましょう(この感じも懐かしくてよかった)。1週間無料で観れるぞ。

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「Rメンバー」という時事ネタから、さまざまな言葉遊び、比喩、サンプリング。zeebraに空中戦に例えられたように、縦横無尽にステージが駆け巡る、即興ラップバトルの面白さが詰まった3ラウンド。通してずっと楽しいのだけれど、やっぱりR指定によるラウンド2締めのリリックが最高だった。

お前に浮かべてるぜ薄ら笑い
誰1人として4人目の器じゃないんだよ

これを、今「4人目」として奮闘しているFORKに言えるのはR指定だけだ。

フリースタイルダンジョンに初めてFORKが出たときのことを覚えている。ワイプの中で終始FORKのライミングに唸っていたR指定が「楽しすぎてヘッズだった頃に戻ってしまった」とコメントしていた。ラウンド1の冒頭で語っていたように、FORKはR指定の憧れのラッパーの一人だったのだろうと思う。

R指定は初代の中でも頭ひとつ抜けたスキルをもっていて、ノリに乗った挑戦者たちを食い止めた頼りになる「4人目」だった。その歴史が、憧れだったFORKに対しても「誰1人として4人目の器じゃない」と言えるR指定の物語に繋がる。その人が抱えてきた「物語」があるからこそ言える言葉が、そのまま「パンチライン」になる。

即興でのラップバトルということで、その場で考えたわけじゃない「仕込みネタ」が嫌われるのだけれど、この辺のラッパーになってくると「仕込んできた(日々考えてきた)ネタにどう繋げるか」「どう誘導するか」がポイントになっているような気がする。FORKも終始かっこいいものの、R指定が乗ってこなかった「ダジャレとライムの違い」を引っ張ることで「ネタっぽさ」が浮いてしまったように見えた。最後の宇多田ヒカルのくだりも、面白いものの突然すぎていかにもネタっぽいなーと感じてしまった。

この試合を見ていて、R指定が見たくてフリースタイルダンジョンを見ていたのを思い出した。T-pablowがどんどんと進化したり、R指定の圧倒的スキルをみるのが楽しみだったのだ。2代目も好きなラッパーばかりで嬉しかったけれど、実際にモンスターとして連戦すると、そのアラが見えてしまい物足りなくなってしまう。

このままR指定がどこまで勝ち進んでいくのか、2代目の誰が食い止めるのか。そしてこの初代VS2代目を経て、2代目モンスターたちがどう進化してくのか。まだまだフリースタイルダンジョンが面白くなりそうで、嬉しくなる試合だった。