ポルカドットスティングレイのミニアルバム『大正義』がリリースされた。
やっぱり2016年最重要バンドだったと思う。あれよあれよと人気が出て、ユニバーサルシグマ体制になり、さまざまなイベント、雑誌への露出も増えた。とっくにブレイクしている気がしている気がするから、「2017年ブレイクしそうなバンド」で名前を挙げられると戸惑うぐらいだ。
今回リリースされた『大正義』は初期曲である「ベニクラゲ」を含むミニアルバムで、先行してMVが発表されたエレクトリック・パブリックが冒頭を飾り、CD版はボーナストラックとして「夜明けのオレンジ」の新録が収録されている。歌詞カードも可愛いのでCDがオススメです。腕を負傷したベースのウエムラユウキさんにかわり、tricotのヒロミ・ヒロヒロさん、ヒトリエのイガラシさんがサポートに参加していて豪華。
エレクトリック・パブリック
ヒーローに任せっきりだった街で、ヒーローがいなくなって戸惑う民衆の歌。のっけからギターの音が良い。MVはポルカの面々がヒーローを演じている。MVもなんだか豪華になったなあ。ペルソナ5めっちゃ遊んでた頃に見たので、ペルソナ5っぽいなと感じたのでした。
ポルカドットスティングレイの魅力の一つに「パートタイム・アーティスト」だった点があると思う。ボーカルの雫さんは会社で働きながら、バンド活動をしているその二面性がそのままMVのヒーロー像に重なりますね。多分もうそろそろフルタイムのアーティストになるんだと思うけれど、きっとそこではそれでしか歌えないような歌がどんどんと生み出されていくのでしょう。楽しみです。
ミドリ
ポルカの楽曲に頻出する印象的な単語「サーカスティック(皮肉な、という意味)」が登場する。日本だとあまり耳馴染みがなくて、いい言葉を見つけたなあと感心している。「sarcastic」と「irony」の違いなんかを留学された時に面白く感じたんじゃないかなあ。『骨抜きE.P』に続き、『大正義』ってタイトルはお見事という感じでツボです。ぴったりじゃないですか、力強くて王道でスラングで、どこかサーカスティックで。
シンクロニシカ
前作のリリース前には出来ていた新曲。これもまたポルカ的歌詞「信じる」「溶け合う」という言葉が印象的。
ベニクラゲ
今回のジャジー枠。好き。ひたすらに好き。ベニクラゲは生物学上の不老不死という面白生物なわけで、歌詞はそこから膨らませた内容になっている。不老不死といえば無限の住人の実写見なきゃいけない気がしてるけど原作ファンなのでこわい。こわいですよ。
本日未明
「右手にはナイフを 左手には似たようなナイフを」というくだりがいい感じにヒネてて好きです。ポルカどんどん歌詞がよくなっていると思うんですが、これはしびれるフレーズガンガン出てきます。去っていく人のこともポルカはよく歌っていますね。実質ラストトラックなんですが綺麗にまとまったミニアルバムだなあ。
夜明けのオレンジ(大正義ver)
バンドのキャリアとしてとても大事な曲を再録。信じるものの危うさや信じることの正しさ。全編を通して歌われていることは「正義や流行は簡単に移ろうものだけれどついておいでよ」という宣言で、決意なのだと思っています。まだまだたどり着きたいところは上の上の上なんでしょう、ぜひついていきたいと思います。武道館はよ。
ライブに行きましょう
案の定チケット取れないアーティストになっているわけだけれど、さまざまなライブイベントに出演されています。いいバンドの例に漏れず、ライブがとにかく良いのでおすすめです。↓の部分、自主的にやってたけど気持ちいいのでみんなやりましょう。
【ライブにお越しのみんなへ】
— 雫 (@HZshizuku) 2017年2月18日
ポルカドット・スティングレイの際、手拍子パートがあります。やってみてね。 pic.twitter.com/qrM5ZOBLaF
- アーティスト: ポルカドットスティングレイ
- 出版社/メーカー: ユニバーサルシグマ/半泣きビビレコーズ
- 発売日: 2017/04/26
- メディア: CD
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