イヤフォンがぶっ壊れているのを忘れていた。一度高級なやつを買ったものの、すぐ壊れてしまったので、なんとなく安いものを買って使っている。最近はiPhoneに付属してたやつをずっと使っていた。音楽は好きだけれど、移動中、仕事中に聴く音楽にそこまで音質を求めてないのだと思う。
左耳しか聞こえないイヤフォンで音楽を聴くとなんだか腑抜けた感じがする。いつもと違って聞こえる、と云えば聞こえは良いけれど。
Right earを「正しい耳」と誤訳して、
Left earを「残された耳」と誤訳してみる。
正しい耳を失った僕は残された耳で音楽を聴く。残された音を聴く。いつだったか左耳のために歌い、左耳でピアノを聞いていたことを思い出す。あの主人公が残された手で描く手紙と絵が読みたい。魔法は右腕に宿っていたのだろうか。
とか云ってないで、イヤフォンを買わなくちゃ。
残された私と、残された瞳は今日もまた目の前のものだけをみる、君たちと右目の代わりに。それでも、残されたものは、残された瞳で、残された夢を見つづける義務がある。いや自由がある。
野田地図番外公演「Right Eye」