葬儀がひと段落した時に、親戚から昔の話を聞いた。
親戚のおじさんが子どもの頃は、まだ街灯が今ほどなく、夜はもっと暗いものだったそうだ。当時の花火大会のことや、真っ暗な夜を走り抜ける「花電車」のこと。特に花電車は、丘を切り出した道路を煌々と照らして、それはそれは美しかったのだと話してくれた。話すその眼が、顔が、ほころんでいて、大切な思い出なのが伝わってきた。
子どもの頃、祖母の家に泊まり、花火大会を見に行くのが恒例行事だった。今でもその日付が近づくと、ああ、花火の日だなと思ったりする。毎年少し帰りたいような気持になる。きっと人が多くて嫌になるとは思う。それ以上のものを持ち帰れるんだろうなとも思う。
今日も随分とめちゃくちゃな1日で、疲れ果てながら京都へ戻った。京都でなんとか降りて、電車を乗り換えたら、浴衣姿の人で溢れていることに気づいた。花火大会か何かの帰りらしい。おぼつかない手つきが眼に浮かぶような少し崩れた帯の高校生や、派手な柄を着こなす年配者まで様々で、とても美しかった。花柄のものが多かった気がする。みんながぶら下げていた巾着だって抜かりなく素敵だった。
着物のような、一つの柄で体一面を覆うような服が好きだ。傘も良い。女性のワンピースもとても素敵だと思う。最近は和服もあんまり着なくなってしまったけれど、街中で見かけると素敵だなあと思う。
今年はもう花火はいいかなと思っていたけれど、線香花火で遊びたい気がしてきた。線香花火だって、きっと小さく何かを照らしてくれる。
「去年の夏の出来事など この浴衣も覚えてないわ」と歌い上げるジムノペディは艶やかでかっこよくて、あこがれ続けている。
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